前回の基本編では、背番号1〜9の見方と、最低限の記号を紹介しました。
基本の記号だけでも試合の流れは十分追えますが、実際に書き続けていると

あれ、これどう書くんだっけ?
という場面がどんどん出てきます。
今回は、その”応用編”として、少し複雑なプレーの書き方と、実際に書いていて困った時の本音の対処法をまとめました。
応用編で覚えておきたい10の記号
まずは一覧です。全部を完璧に覚えなくても大丈夫。「こんな記号があったな」と頭の片隅にあるだけで、次に出てきた時に慌てずに済みます。
| 記号 | 意味 | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| E | エラー(失策) | ミスをした選手の守備位置番号に「E」を付ける(例:5E、送球ミスは5E-3) |
| □(四角) | 犠打(送りバント) | 守備位置番号を四角で囲む |
| △(三角) | 犠飛(犠牲フライ) | 三角の中に捕球した守備位置番号 |
| DP | 併殺(ダブルプレー) | 守備位置番号をつなげて記入(例:4-6-3)。関係したマスを「}」でつなぎ「DP」と書く |
| ST・CS | 盗塁失敗 | 「ST」または「CS」と書く(どちらも使われます)。経由した守備位置番号も添える |
| IP | 守備妨害 | 「IP」+関係した守備位置番号 |
| OB | 走塁妨害 | 「OB」+関係した守備位置番号 |
| BK | ボーク | 進塁した塁の欄に「BK」 |
| WP・PB | ワイルドピッチ・パスボール | 進塁した塁の欄に「WP」または「PB」と、「’」 |
| A・B・C・H | 塁の記号(ベースを踏んでアウト) | 1塁=A、2塁=B、3塁=C、本塁=H(例:3A、5C) |
それぞれの書き方をもう少し詳しく
エラー(E)
例えば、サードゴロを後逸(トンネル)してしまった場合は、ミスをした選手の守備位置番号「5」の横に「E」を添えます(5E)。
捕球はできたけれど送球が逸れた場合は、送球した選手の番号にEを付けて、送球先の番号をつなげます。サードがファーストへ悪送球なら「5E-3」、ショートなら「6E-3」です。
逆に、送球は正確だったのに、受けた選手が捕れなかった場合は、受けた選手の番号にEを付けます(例:6-3E)。
「誰が」「どんなミスをしたか」が分かるように、ミスをした選手の番号+Eという組み合わせで覚えておくと応用が利きます。


犠打(送りバント)
送りバントが成功してランナーを進塁させた場合は、守備位置番号を四角で囲みます。例えば、サードがバントを処理してファーストに送球しアウトになった場合は「5-3」を四角で囲む形になります。

犠飛(犠牲フライ)
タッチアップで得点が入った犠牲フライは、三角(△)の中に捕球した守備位置番号を書きます。レフトが捕球したなら「7」を三角で囲む、という具合です。

併殺(ダブルプレー)
アウトが一気に2つ記録される併殺は、ボールが渡った守備位置番号をハイフンでつなげて書きます。
「セカンドゴロ→ショートが2塁を踏んでフォースアウト→ショートからファーストに送球してアウト」という流れなら「4-6-3」となります。関係した2人のマスを「}」でつなぎ、横に「DP」と書きます。アウトになった順に「Ⅰ」「Ⅱ」と書いておくと、後で見返した時に分かりやすいです。

盗塁失敗(ST・CS)
盗塁を試みてアウトになった場合は「ST」または「CS」と書きます。
どちらも使われていて、本やチームによって違います。
私が参考にしている本では「ST」なので、この記事では主に「ST」で説明します。
チームのスコアラーさんが使っている書き方があれば、それに合わせてください。
キャッチャーからセカンドへ送球してタッチアウトなら、「ST」の下に「2-4TO」(「CS」の場合は、下に「2-4」)のように、経由した守備位置番号も添えておくと、後で見返した時に分かりやすいです。


守備妨害(IP)・走塁妨害(OB)
攻撃側が守備を邪魔してしまったら「IP」、逆に守備側が走塁を邪魔してしまったら「OB」です。
どちらも少年野球ではそう頻繁には出てきませんが、「攻撃側が悪いのがIP、守備側が悪いのがOB」と覚えておくと、いざという時に思い出しやすいと思います。


ボーク(BK)
ピッチャーの反則行為でランナーに進塁権が与えられた場合は、進塁した塁の欄に「BK」と書きます。少年野球では「静止せずに投げてしまう」ケースが多いようです。

ベースを踏んでアウト(A・B・C・H)
ゴロを捕った選手が、そのままベースを踏んでアウトにすることがあります。そのときは、守備の番号のあとに、塁の記号を書きます。
- 1塁=A 2塁=B 3塁=C 本塁=H
例えば、次のように書きます。
- 1塁へのゴロを、ファーストが捕って、そのままベースを踏んだら「3A」
- 3塁へのゴロを、サードが捕って、3塁ベースを踏んでフォースアウトなら「5C」
- ショートが、2塁ベースを踏んで、そのあと1塁へ送球したら「6B-3」

少年野球では、ちょこちょこ出てくる書き方です。送球があるときは「6-3」のように、数字だけでつなぐので、ベースを自分で踏んだときだけ、塁の記号がつくと覚えておくと分かりやすいです。
ワイルドピッチ(WP)・パスボール(PB)
ピッチャーが投げた球を、キャッチャーが捕れずに逸らして、その間にランナーが進塁することがあります。少年野球では、とてもよく使う記号です。
どちらを書くかは、投球の質で決めます。
- ワイルドピッチ(暴投)=「WP」:投球が悪かったとき。ワンバウンドするような投球は、こちらです。
- パスボール(捕逸)=「PB」:投球は問題ないのに、キャッチャーが捕りそこねたとき。

実際に見ていても、WPかPBか分からないときがあります。そのときは、自分の見た感じで決めて大丈夫です。(どちらかが正解、と決めきれない場面もあります)
書く場所は、ランナーが進んだ塁の角です。盗塁と同じように、その投球にも「’」(コンマ)をつけて、いつ起きたのか分かるようにします。例えば、投球数の欄が「○ V ー」で、3球目(ー)がワイルドピッチなら、「ー’」と書きます。

また、三振のときにワイルドピッチやパスボールがあると、バッターが1塁へ走れる「振り逃げ」になることがあります。
実は書き方に迷う必要がないインフィールドフライ
「インフィールドフライ」は言葉こそ難しそうですが、スコアの書き方自体は普通のフライアウトと同じでOKです。
少年野球では、インフィールドフライが宣告される場面は、ほとんどありません。

私も、6年間、少年野球の試合を見てきて、聞いたのは1回だけです。
宣告があったからといって、必ず特別な記号を書き足さないといけないわけではありません。
もし区別しておきたいときは、「IFF」(「IF」と書く人もいます)を添えて書く方法もあります。
チームのスコアラーさんが使っている書き方があれば、それに合わせてください。身構えなくて大丈夫です。
【本音】分からない記号が出てきたときの対処法
ここからは、実際にスコアを書き続けてきて分かった、正直な対処法です。
正直に言うと、走塁妨害や守備妨害、インフィールドフライのようなあまり出てこない記号は、私自身よく忘れます。
「スコアを書かないと!」と思っているうちに、次のプレーはもう始まっています。

分からない記号が出てきたら、とにかくその欄を空けておいて、次のプレーを優先して書く。試合の合間や終わってから、落ち着いて調べて書き足します。
スコアは「その場で完璧に」ではなく、「後から見て試合が分かればOK」くらいの気持ちで十分だと思います。
【本音】併殺プレーで守備位置番号が分からないときは
併殺(DP)は「4-6-3」のように、ボールがどの守備位置を渡っていったかを書く必要があります。ただ、動きが速いプレーなので、とっさに何番の選手がボールを持ったのか分からなくなることがよくあります。
そんな時は、試合後に自分の子どもに聞くのが一番早いです。意外と本人はよく覚えていて、教えてくれることが多いです。
【本音】相手チームの背番号がズレていたときは
相手チームのスコアも、打順どおりに書いているはずなのに、今打席に立っている子の背番号と、書いていたはずの背番号が違うということが稀にあります。
これに気づいた瞬間はかなり焦ります(笑)でも、試合はどんどん進んでいくので、ズレている部分は一旦後回しにして、今行われているプレーを書くことを優先します。
ズレた部分は、後から
- 自分やチームの子どもに聞く
- コーチや他の保護者に聞く
- 最終手段として、相手チームのスコアブックを見せてもらう
という順番で確認しています。誰にでも起こりうることなので、焦らず対処すれば大丈夫です。
私が使っているスコアの本
スコアの書き方は、この本で勉強しました。周りのお母さんたちも、この本を持っている人が多いです。
『少年野球 スコアのつけ方 親子でいっしょに始める・覚える』(日本野球機構 監修/日本文芸社)
私が「使いやすい」と思うところは、次の3つです。
- 図が大きくて、見やすい
- 実践例と詳しい解説が書いてあるので、分かりやすい
- 子どもの試合で練習できなくても、YouTubeで実際の少年野球の試合を見ながら、スコアの練習ができる(その試合のスコアの詳しい解説も書いてあります)
※この記事のスコアの書き方は、基本的にこの本を参考にしています。チームや大会によって書き方が少し違う場合があるので、チームのスコアラーさんの書き方に合わせてください。
📄 スコア練習用紙(A4・3枚)を無料でダウンロード
応用編の記号も、早見表を見ながら、実際に書いて練習できる用紙です。
1試合で、自チームと相手チームの2枚が必要なので、練習用紙2枚+記号早見表1枚の、合計3枚を印刷してください。
※ご家庭・チーム内での印刷は自由にどうぞ。無断転載・販売はご遠慮ください。
まとめ|完璧じゃなくて大丈夫
応用編として10の記号を紹介しましたが、一番伝えたいのは記号そのものより、「分からなくても、その場でパニックにならず、後で調べて埋めればいい」ということです。
スコアブックは、完璧に書くための試験ではありません。後から見返して、子どもの試合を思い出せたら、それで十分だと思います。
このあとの内容は、応用編②(選手交代)と、イレギュラー編(困ったときの対処法)にまとめています。あわせてどうぞ。
基本編の記事もまだ読んでいない方は、あわせてどうぞ。少年野球のルール・ポジション解説まとめから、他の記事もチェックできます。
※この記事は少年野球を応援する母の目線から書いたものです。野球に詳しい方の理解と違う場合があります。



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